四国渓流釣行 4月16〜4月23日

 4月16日 晴 徳島港 > 木頭村・美那川キャンプ場まで   私が四国の渓流への釣行を思い立ったのは2002年の7月に黒部源流を訪れたとき であった。黒部の山中で一人の釣り人(四国のAさん)に出合い数日後下山してくると 再び折立の登山センターの前でAさんに再会し四国の渓流について教えていただいたこ とがあった。その時以来、四国の渓流を訪れてみたいという夢を持ったのである。  計画を立てる前にAさんにメールすると、推奨場所として四国の右下半分の地域を丁 寧にマークした地図を送付してくれた。さらにネットを通じて四国渓師会のTさんにメ ールするとほぼ同じ地域を推奨してい頂いた。 ”郷に入れば郷に従おう”  幸い山の仲間のSさんが同行してくれることになり東京フェリーターミナルを15日 の19時に出航して徳島に着いたのは13時を少しまわっていた。下船した客のなかに 山の格好をした若い女性がいたので声をかけてみるとお遍路さんとしてお寺を巡るのだ と言う。スタートの徳島駅まで送ってあげてから、食料を買い込み途中の木頭村で年券 を購入して後考の憂いをなくし美那川キャンプ場をめざした。夕方キャンプ場に着くと 役場の女性職員らしい人が施設のチェックをしていた。料金を聞くとまだオープンして いなからいらないと言う。 ・・・ラッキー・・・ ”人には親切にしよう”  4月17日 晴 那賀川・南川(みながわ)支流大谷川   大谷川への林道は途中が工事中で車は奥まで入ることはできなかったので林道を歩い て奥へとむかった。Sさんとは先週丹波川の海沢で練習してきたので川筋を見て危険な 個所もないので湯桶丸(ゆとうまる)に突き上げる支流に入ってみた。すぐにアタリが あり20cmほどのアマゴが釣れてきた。最初の一匹なのでキープした。その後リリ ースを繰り返しSさんの所にもどり大谷川の本流を釣り上がった。途中一ヵ所腰まで水 に浸からないと突破できない場所があり水に慣れていないSさんはこわごわ通過した。 その後最初の一匹を越すサイズは一匹だけで他は全てリリースした。 キープ2 リリース15ほど  4月18日 晴 南川・緒の山谷周辺  新緑が目に染みる美しい谷である。豊饒な川は林道から本流を覗くと魚影が見えるし 時折日中でもライズするのを見ることができる。今日もSさんには本流を釣ってもらい 私はちょっとした支流に入ってみる。前に釣ったサイズをオーバーする魚だけキープす ることにしていたが5匹をキープすることができた。魚止め前の滝では30cmちかい 四国アメゴを釣ることができた。岐阜や丹波で釣ったことがあるアマゴと比較すると朱 点が大きく魚体全体に及んでいるのが特徴であるように思えた。  林道から見下ろすと本流の流れから切り離された止水状のプールにも多数の魚影がみ られた。  通常東北などに遠征すると同じ場所にキャンプし続けたことはないが水場は清潔で蒔 が豊富で焚き火にはことかかない。無理に移動する理由は見つからないので、釣った魚 を焼いたりしてて豊かな時を過ごす。 キープ5 リリース多数  4月19日 晴 那賀川・南川合流点     今夜は四季美谷温泉でAさんに会うことになっているので3日間過ごしたキャンプ場 を撤収して那賀川と南川の合流点を釣ってみることにした。夏場は鮎のよい釣り場にな るという。深い淵が点在しピンク色のつつじが咲く水量豊かな釣り場は私の手には負え なかったが、Sさんは大きなアメゴのアタリがあり餌を取られる体験をしたようだ。  2時半には四季美谷温泉に着いた。ひなびた山間の温泉を想像していたが、村営の日 帰りも可能な立派な温泉であった。早速風呂に入ったりタラの芽やワラビを採ったりし て、のんびりと過ごした。宿の前の川に降りてみるとそこにもアマゴの魚影が見られた。 夕方6時頃Aさんがやってきて昨年の黒部以来の再会を喜びあった。夕食の酒盛りを始 めるとSさんの携帯に電話があってTさんがいま釣り終わってこれからこちらに向かう と言う。  7時過ぎTさんが到着する。お互いに初対面であった。それから四国の渓流状況につ いて夜遅くまで話は尽きることはなかった。  翌朝Tさんはキープしてきた一匹の尺アメゴを見せてくれた。私もすでにそれに近い サイズを釣っていたので驚きはなかったがTさんの渓流釣りの話は聞き飽きることはな かった。  4月20日 曇り時々雨 高知・阪本竜馬記念館見学    朝AさんTさんに別れを告げ日曜でもあるので剣山に登ろうと槍戸川から次郎筏経由 の登山口をめざした。途中には日曜のせいもあり釣りの車が20台くらい停まっていた。 登山口へ通じるダートの林道はところどころ崩壊しており、空模様も怪しいので予定を 変更して高知桂浜の竜馬記念館を見学しに行くことにした。途中立ち寄った物部村の資 料館でこの付近の地層は秩父古成層と同じであると記載されており多摩・秩父の川床と 似ていることに納得がいった。  竜馬記念館で竜馬の偉業に感心したあと、物部村まで戻り四国で一番美しい山と言わ れる三嶺の登山口で一夜を過ごす。  4月21日 曇り後晴れ 物部川・西熊渓谷から三嶺登山   三嶺(みうね)紀行して別府温泉泊まり  4月22日 晴 南川の支流    今日は釣行記の最終日である。宿でおにぎりを作ってもらい釣り慣れた南川の別の支 流をめざした。Sさんの初釣果をめざして谷に入るが水量が少ないので少し歩いてから Sさんにつり始めてもらった。私はさらに奥から釣り始めるとすぐに釣れてきて前のサ イズを越えた4匹をキープしたところで急いでSさんのところに戻った。    登り直して釣り方を指示しながら釣り始めると小さいが初物の一匹が釣れさらにもう 一匹を追加できた。  あとは魚止めを確認するだけである。私はリリースを繰り返しながらさらに上流に釣 り登った。V字状の滝が事実上の魚止めであった。その先にも水深をもった滝があった が魚は不在であった。ケルンを積んで豊かな谷に感謝して別れを告げた。  那賀川沿いに下り紅葉川温泉で夕食をとり日和佐の恵比須浜キャンプ場で波の音を聞 きながら一夜を過ごす。 キープ5 Sさん2 リリース多数  4月23日 雨後曇り フェリーにて帰京    朝早くキャンプ場の近くの防波堤に20名以上の釣り人が集まっていた。海の釣りが 豊かなので川釣りは鮎以外は四国の釣り人にとって興味がわかないこともアメゴの豊か な川の存在する一因なのであろう。    Tさんの釣りに見られるようにキジの太虫で釣れにくくして大物以外は基本的にリリ ースしていること。発眼卵の放流を行ったり漁期を8月31日までに制限して保護して いること。  Aさんにいただいた徳島新聞社発行の”四国の川釣り”も単なるガイドブックでなく 豊饒な四国の渓を守ってゆく立場が読み取れて清々しかった。  徳島に戻り11時半のフェリーに乗り込む。私達にいい思い出を与えてくれた室戸岬 に続く四国の山影はいつしか海のかなたに見えなくなっていった。