[合否00-2][合否01-2][00-1][00-2][01-1][01-2][02-1]

2001年度第1回車体整備士技能認定試験問題と
解説及び模範回答

平成13年10月7日実施
解説は東京都自動車車体整備協同組合ニ養講師の大石幸男氏に担当していただきました。(解説の後に記してあるのはテキストの頁
〔1〕次の各々について,適切なものには○を,適切でないものには×を記入しなさい。
l.4サイクル・エンジンは,クランクシャフトが2回転する間に1回の燃焼行程がある。
01_1.jpg2.自動車に働くこう配は,車速と登ろうとする坂のこう配にらって決まる。
3.製図に用いられる右図の記号は,仕上げ加工を行わないことを表している。
4.ガソリンの主成分である炭化水素は,完全燃焼すると窒素酸化物になる。
5.2Ωの抵抗を2個並列に接続したときの合成抵抗は,lΩである。
(解説)
1.4サイクル・エンジンは、吸入・圧縮の工程でクランクシャフトが1回転し、燃焼・排気でもう1回転する。よってクランク・シャフトが2回転する間に1回の燃焼行程がある。
2.設問は理解しにくい文面となっている。よって解説不能。こう配抵抗に関する問題だとしたら速度には関係ないと判断をする。
3.面の肌の仕上げ程度は丸記号、三角記号があり図の三角記号は仕上げ加工を行うことを示す。製図の教科書p18
4.ガソリンの主成分である炭化水素は完全燃焼すると炭素成分と酸素が結びつき二酸化炭素になり、水素と酸素が結びついたものは水になる。
5.2オームの抵抗を2個並列にしたときの合成抵抗は(1/2+1/2)/1で求められる。

〔2〕次の各々について,適切なものには○を,適切でないものにば×を記入しなさい。
1.ポリウレタンには,熱硬化型と熱可塑型の2種類がある。
2.含金化亜鉛メッキ鋼板は,鋼板の表面に亜鉛と銅の含金をメッキした防錆鋼板である。
3.冷問圧延鋼板は,熱問圧延鋼板を更に常温で圧延したものである。
4.鋼の焼なましば,鋼の組織の均一化を図るために行う熱処理法である。
5.熱した鋼が黄赤色をしている場合の温度は900℃前後である。
(解説)
1.設問の通り、教科書34ペ−ジの表を見ていただきたい。
2.合金化亜鉛メッキ鋼板は亜鉛メッキ後、熱処理により鉄と亜鉛合金の二層メッキ構造を形成させた鋼板である。教科書p29
3.冷間圧延鋼板は熱間圧延鋼板を常温で圧延したものである。
4.焼きなましは鋼が加工されて硬化したものをなますために行う熱処理法である。
5.鋼が熱せられて黄赤色をしているときの温度はおよそ900℃である。教科書p21

〔3〕次の[A〕の各文の()の中に入れる適切なものを[B〕から選んで,その番号を記入しなさい。
〔A〕
l.高張力鋼板のうち,複合組織型高張力鋼板及び(イ)型高張力鋼板は厳密な熱処理によって強度が増加されているので,これらを利用した部材の補修に際しては(ロ)に注意する必要がある。
2.積層鋼板は,二枚の薄肉鋼板で(ハ)を挟んだ構造のもので(二)に優れている。
〔B〕
1.固溶体強化 2.析出強化・ 3.加熱修正による熱影響 4.加工硬化による強度劣化 5.アルミニウム 6.亜鉛 7.樹脂その他の非金属材料 8.遮音,制振性9.耐熱性 l0.耐食性
(解説)
1.高張力鋼板の虫食い問題であるが教科書p25〜p28に解説してある。
固溶体強化型、析出強化型、複合組織型などがあるのでそれぞれを理解して覚えてほしい。
2.積層鋼板については教科書p29〜p30
二枚の薄肉鋼板で樹脂その他の非鉄金属材料をはさんだも構造のものである。樹脂等を挟んであるために遮音性や制震性にすぐれているのである。

〔4〕次の各々について,適切なものには○を,適切でないものには×を記入しなさい。
1.モノコック・ボデーのストラット・タワー部は,フロント・サイド・メンバとフロント・クロス・メンバを強固に接合する強度部材である。
2.モノコック・ボデーは,中央客室の乗員の安全性を確保するため,ボデーの前部や後部の骨格部位にウイーク・ポイントを設け,衝突時の衝撃力を吸収できるようになっている。
3.モノコック・ボデーは,ボデー全体が剛体となっているため,直接車体に取り付けられたパワー・トレーンなどの騷音,振動の影響を受けにくく,防音,防振対策は簡単である。
4.ドアのチェック・アンド・ストッパ機構は,上部ヒンジと一体となっている。
5.衝撃吸収式バンパの衝撃吸収材には,発泡ウレタンや発抱ポリプロピレンが多く使用されている。
(解説)
1.ストラット・タワーはフロント・サイド・メンバーとフェンダー・エプロンに接合していてフロント・クロス・メンバーには接合していない。
2.骨格部位にウイーク・ポイントを設けてあるのは衝突時の衝撃力をその部分がつぶれることにより吸収されるようになっている。
3.モノコック・ボデーもフレーム式でもパワートレーンからの振動はラバーブッシュやマウントを多用し、防音についてもマットやシートなどを多用し対策は簡単とはいえない。
4.ドアのチェック・アンド・ストッパーとヒンジとは別物である。教科書p82
5.設問のとおりである。リンホースメントとバンパーカバーの間にはさまれている。

〔5〕次の各々について,適切なものには○を,適切でないものには×を記入しなさい。
1.トラックの段付き平行H型フレームば,主として小型トラックに使用されている。
2.高床式荷台の床組みでは,平坦な床面を得るため,フレーム上に縦根太を置かない。
3.トラツク荷台のあおりとは,荷台にのせた積荷が外部に落下しないようにするための支えとびらである。
4.電動式ティルト・キヤブでは,ティルト中に電動ポンプが故障してもチェック・バルブが働くので,キヤブは落下しない。
5.フレーム付きバス・ボデーの大組部品は,基本形として前組上部,天井,床などの8ユニットで構成される。
(解説)
1.小型トラックに主に使われてるのはA型(先細りはしご型)フレームである。
2.フレーム上に縦根太をおきその上に横根太がのっている。
3.説明の必要はないでしょ、教科書p105の図を見てください。
4.ティルトアップしてある時に配管などの故障があってもチェックバルブによって落下を防ぐようになっている。教科書p103
5.図を見てもらった方がよくわかると思います。教科書p113の図を見てください。

〔6〕図のような構造のフロント・ボデー(FR車)の衝突時の衝撃波及と損傷傾向について,次の[A]の各文の( )の中に入れる適切なものを〔B]から選んで,その番号を記入しなさい。ただし,同じ番号を二度以上選んでもよい。
01_3.jpg
〔A〕
l.フロント・サイド・メンバの先端部Aに水平入力Fを受けた場合,その一般的傾向として,着力点A部とB部では,(イ),(ロ),座屈の損傷を示し,さらにB部を基点としての前部の(ハ)を起こす。
2,次に,サスペンション・クロス・メンバの取り付け位置のC部に(二)やこぶ状の変形を作る。
3.最終の波及部位として,D部及びE部にわずかな(ホ)を作り,同時に,メンバの後退によりダッシュ・パネルやフロア・パネルにひずみを発生させる。
〔B]
l.座屈 2.上下曲がり 3.ねじれ 4.つぶれ 5.菱曲がり
(解説)
この問題も教科書の文章をそのままの問題です。教科書p246を参照してほしい。
〔7〕次の各々について,適切なものには○を,適切でないものには×を記入しなさい。
1.オン・ドリー・ハンマリングとは,ドリーを当てる箇所とハンマを当てる箇所をずらしてハンマ打ちする方法をいう。
2.灸すえ法による1回の灸の大きさは20mm前後で,仕上げ段階でさらに小さくする。
3.板金パテ(ボデー・フィラ)を厚塗りする場合には,1回で盛り上げるように塗布し,十分な乾燥時間をおかなければならない。
4.板金作業のうち,たたき出し作業は,整形作業の一つである。
5.ゴム製カップとスライド・ハンマで行う吸い付け引き出し作業は,パネルの弾性を含んだ比較的単純な変形の修復に適している。
(解説)
1.ドリーとハンマーをずらしてハンマリングするのはオフ・ドリー・ハンマリングと言う。
2.灸すえ法による灸の大きさは直径20〜23mm程度で、あまり大きくしても効果はない。教科書p135
3.板金パテを厚塗りする場合1回約10mmまでとし数回に分けて、その間十分な乾燥時間をおく。教科書p137
4.たたき出し作業で整形をしていくので文字通り整形作業である。
5.ラバーカップによる引出し作業はパネル面が複雑に変形していたら空気が漏れて引き出しでない。よって単純変形の修復に適している。

〔8〕図に示すリヤ・フェンダの部分カット取り替え作業(斜線部分)について,次の〔A〕の各文を作業の順序に従って並べ変え,その番号を記入しなさい。
01_.4jpg〔A〕
1.各切断部のキヤラクタ・ラインに点付けをし,ミグ・アーク溶接の突合せ溶接を行う。
2.損傷部を粗切りして切り離す。
3.新部品を重ね合わせて仮付けして,切断線をけがき,金ノコなどで正確に切断する。
4.突合せ溶接箇所の凹凸をサンダで削り,溶接による熱ひずみをハンマリングにより取り除き,さらに,平滑仕上げをする。
5.新部品の切断位置を選定し,ラップ代l0〜20mmを見込んで,金ノコなどで粗切りする。
(解説)
リヤフェンダの部分カット取替え作業の順序について書かれたものであるが教科書p210から詳しくかかれている。
近年接着剤による取り付け法も開発されているが基本は溶接とほぼ同じである。

〔9〕次の各々について,適切なものには○を,適切でないものには×を記入しなさい。
l.溶接用ガス・ボンベの口金は,酸素用は右ねじ,アセチレン用は左ねじになっている。
2.電気抵抗スポット溶接で,厚さ1mmの軟鋼板2枚を溶接する場合,650A程度の溶接電流を必要とする。
3.ミグ・アーク溶接で使用されるシールド・ガスは,一般に軟鋼板には炭酸ガス又はアルゴン・ガスと炭酸ガスの混合ガス,非鉄金属にはアルゴン・ガスが使用される。
4.電気抵抗スポット溶接のスイベル・チップは,スポット打点の跡が表面に残らないようにするために用いる。
5.ろう付けは,強度を必要とする部位の接合に適する。
(解説)
1.溶接用ガスボンベの口金は酸素用は右ねじ、アセチレン用は左ねじである。教科書p143
2.電気抵抗スポット溶接の溶接電流は6500A以上を必要とする。
3.ミグアーク溶接で使用するシールドガスのうち炭酸ガスはアークの溶け込みが深く高熱型であり軟鋼板の溶接に適し、アルゴンガスは柔らかなマイルドアークを出し熱を低く押さえる。溶け込みが浅く薄板や非鉄金属の溶接に適する。教科書p167
4.スイベル・チィップはスポット打痕が表面に残らないようにするための、特殊なチップである。教科書p161
5.ろう付けは引張り強さが低いので強度が必要な部位には適さない。

〔10〕電気抵抗スポツト溶接について,次の〔A〕の各文の( )の中に入れる適切なものを〔B〕から選んで,その番号を記入しなさい。
〔A〕
1.加圧密着とは,電極チップと重ね合わせた二枚の鋼板の(イ)を滅らし,十分な電流を通すための工程である。
2.通電融合とは,加圧密着された箇所に通電が始まり,中心部が赤熱し,通電終了時に(ロ)が形成される工程である。
3.冷却固着とは,溶けた金属の(ハ)であり,電流が遮断されて(二)が行われる。
〔B〕
l.固有抵抗 2.接触抵抗 3.ナゲット  4.スラグ
5.冶金工程 6.加硫工程 7.ルティング 8.フォージング
(解説)
1.加圧密着とは、電極チップと重ね合わせた二枚の鋼板の接触抵抗を減らし、十分な電流を通すための工程である。
2.通電融合とは、加圧密着された個所に通電が始まり、中心部が赤熱し、通電終了時にナゲットが形成される工程である。
3.冷却固着とは&-92;溶けた金属の冶金工程であり&-92;電流が遮断されてフォージングが行われる。教科書p158

〔11〕次の各々について,適切なものには○を,適切でないものには×を記入しなさい。
l.クリヤと呼ばれる塗料は,樹脂と溶剤だけの無色透明な塗料で,メタリックなどの塗色に一層の光沢を与える。
2.グラファイト顔料は,樹脂のもつ光沢を減少させるための顔料である。
3.塗料の乾燥形態のうち反応形乾燥は,塗料中の溶剤が蒸発するだけで塗膜になり,塗膜になるときに樹脂の変化は起こらないものをいう。
4.不飽和ポリエステル樹脂を主成分とする重合乾燥形のパテ類は,5℃以下の気温では,強制乾燥が必要である。
5.前面衝突用のSRSエア・バッグ・システムは,横転や転覆したときも作動する構造となっている。
(解説)
1.クリヤはその名の通り透明な塗料でメタリックやパール塗装の仕上げに塗布されている。
2.グラファイトは炭素の結晶体で、光輝感はアルミやマイカ顔料より小さいが&-92;他と併用することにより鈍い独特の深みのある発色をする。教科書p255
3.溶剤揮発形乾燥と呼ばれるものが塗料中の溶剤が蒸発するだけで塗膜になり樹脂の変化は起こらない。
4.不飽和ポリエステル樹脂を主成分とする重合乾燥形のパテ類は、5℃以下の気温では硬貨が促進できない状態となるので強制乾燥が必要である。
5.前面衝突用SRSエアバッグは横転や転覆では作用しない構造となっている。

〔12〕次の各々について,適切なものには○を,適切でないものには×を記入しなさい。
l.点検ハンマでリベットの締め具合を見る場合,リベットを強くたたかなければゆるみを点検できない。
2.油浸探傷法は,鋼を油に浸すことにより,表面に現れていない損傷まで点検することができる。
3.キヤンバ・キヤスタ・キング・ピン・ゲージで,キヤスタを測定するときは,ターニング・ラジアス・ゲージを使用してフート・ブレーキをかけて行う。
4.板金の表面の凹凸の状態を手のひらの感触で調べる場合には,素手よりも布製の手袋を着用した方が感じとりやすい。
5.サンプル・テスト・ピースによってスポット溶接のはく離テストを行う場合にば,ナゲット部をねじるようにしてはがすとよい。
(解説)
1.強くたたく必要はない。
2.油が傷に染みて行くことにより確認するので表面の損傷しか点検できない。
3.キャスタとキングピン角の測定にはブレーキを掛けておかなければならない。
4.実際に試してほしい。サンダー掛けた後&-92;ペーパーを掛けた後などに。
5.スポット溶接の剥離テストは引き剥がすように行ってほしい。

〔13〕下表に示す諸元を有する図のようなライト・バン型のトラックについて次の各間に答えなさい。ただし,乗員l人は550Nでその荷重は前軸から1000mmの位置に作用し,積載物の荷重は荷台に等分布にかかるものとして計算しなさい。
01_5.jpg
01_7.jpg
問1.積車状態の後軸荷重は何Nですか。
問2.車両総荷重は何Nですか。
(解説)
問1.積車状態の後軸重は空車時の後軸重+積載物の荷重+乗員の後軸にかかる荷重で求められる。
   乗員の後軸にかかる荷重は((550×2)×1000)/2500=440
  5000+5000+440=10440
  積車状態の後軸荷重は10440N
問2.車両総重量は空車時の前軸荷重+後軸荷重+乗員の荷重+積載物の荷重で求められる。
   5500+5000+1100+5000=16600
   車両総荷重は16600N

〔14〕次の各々について,適切なものには○を,適切でないものには×を記入しなさい。
1.床式フレーム修正機は,あらゆる方向からの引き作業はできるが,押し作業はできない。
2.フレーム・センタリング・ゲージは,センタ・ピンによって,フレームのねじれとつぶれを検出できる。
3.油圧ボデー.ジャッキを使用する場合,ラム・プランジヤが伸びきったら油圧を上げてはならない。
4.タップでめねじをたてる場合,下穴をあけるドリルは,おねじの谷径と同じものを使用する。
5.ベンチ・グラインダはと石の側面を使用してもよい。
(解説)
1.床式フレーム修正機はあらゆる方向からの引き&-92;押し作業が可能である。教科書p184
2.フレーム・センタリング・ゲージのセンターピンでフレームのねじれとつぶれは検出できない&-92;検出できるのは左右曲がりである。
3.プランジャが伸びきったら油圧を上げてはならない。教科書p181
4.めねじとおねじを組み合わせた場合&-92;めねじの山とおねじの谷が合わさるので下穴の径はおねじの谷径と同じにする。
5.ベンチ・グラインダはと石の側面を使用してはならない。

〔15〕次の各々について,「道路運送車両法」,「道路運送車両法施行規則」,「自動車点検基準」又は「道路運送車両の保安基準」に照らして,正しいものには○を,誤っているものには×を記入しなさい。
l.小型自動車の荷台の幅を広げても自動車の幅がl.7mを超えなければ構造等変更検査は受けなくてよい。
2.エンジンを取り外して行う車体の修理は,分解整備に該当する。
3.乗車定員5人の自家用の小型乗用自動車(貸渡自動車を除く。)の定期点検整備は「自家用乗用自動車等の定期点検基準」によって行わなければならない。
4.最高速度が80km/hの大型トラックの窓ガラスは,安全ガラスでなくてもよい。5.大型後部反射器の反射光の色は,黄色でなければならない。
(解説)
1.荷台の幅を広げた場合&-92;構造変更検査は受けなければならない。
2.エンジンの取り外しは分解整備に該当する。
3.自家用小型乗用車の定期点検整備は「自家用自動車等の定期点検基準」によって行われなければならない。
4.自動車の窓ガラスは安全ガラスでなければならない。
5.大型後部反射器の反射光の色は&-92;黄色でなければならない。

日整連による模範解答
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