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■画像系本文とは?
漫画やイラスト・写真など、文字以外の要素が多い原稿を画像系原稿として
綺麗な原稿の作り方を紹介します。

原稿のテンプレートは以下からダウンロードしてご利用ください。
※必ず、全ての説明を読んでからご利用ください。



各サイズを確認しておきましょう。※断ち切りについては「断ち切りって何?」をご覧ください。
  仕上がりサイズ 断ち有サイズ 600dpiのときのピクセル数
B5 182×257 188×263 4441×6213 pix
A5 148×210 154×216 3638×5102 pix
A4 210×297 216×303 5102×7157 pix
文庫(A6) 105×148 111×154 2622×3638 pix
新書 107×175 113×181 2669×4276 pix


1:“ノド側”を知ると、ぐっとクオリティアップ!

本のとじられる側を印刷用語でノド側と言います。

このノド側、意識しないと結構難しいのですが、自分が思っていたよりも字が入り込んでしまい
読みにくくなってしまうことがあります(市販の本でも、たまにあります)。
中とじの場合は完全に開きますので、その心配はありません。

ノド側


ノド側は「とじ方向」によって左右の位置が変わります。色の着いている方がノド側です。

右とじのノド側    左とじのノド側




2:ノド側の文字が隠れないようにする為には?(平とじの場合)

自分が作る本のノド側が分かったら、次はノド側を意識しながら文字を配置してみましょう。

ノド側の説明

ノド側に文字等を配置する場合、
断ち切り含めたサイズから10mm内側(仕上がり位置から7mm内側)だと安心です。
ページ数が100ページを超える場合は15mm〜20mmくらいが安心です。

逆に、仕上がり位置から3mm以下の位置は確実に見えなくなってしまいます。



3:見開きの画像をちょうど良く繋げるコツ(平とじの場合)

平とじの本はノド側が少し隠れてしまうので、左右の見開きページで1枚の繋がっている絵を載せる場合に
上手く繋がっているように見せるにはコツが必要です。

見開きの説明01

上の図を左右見開きにする場合を例に説明します。
ここで用意する画像のサイズは、B5なら364×263mmA5なら296×216mmです。
天地はそのまま断ち切り分を加えたサイズですが、左右は断ち切り分を加えていない短いサイズにします。

B5サイズの本だとして説明していきますが、この画像を中心で分割するとそれぞれが182mmになります。
見開きの説明01b
そのままだと左右の断ち切り分が無いので、6mm足します。
その時、左右3mmずつ足すのではなくてノド側だけに6mm足すようにします。
見開きの説明02
ピンクの線が仕上がり位置です。
仕上がりから3mm白くなってしまいますが、ノド側なので隠れて見えなくなります。
中心部分に結構スキ間を作りましたが、これくらい空けると本にした際にちょうど良くなります。
見開きの説明03

通常のページを作る場合より小口側に寄せる形になるので、
小口側の文字や枠が切れやすくなります。
また、本全体で共通の枠やノンブルある場合も、位置がズレないように注意が必要です。


見開きの説明04
見開きの説明05


ページ数が多い本ですとより開きにくいので、更に小口側に寄せた方が綺麗になります。
小口側に寄せるのが6mm以上になってしまった場合はノド側の白が見えてしまうので、
それぞれ反対側の絵を入れておいた方がいいでしょう。
見開きの説明06



4:表裏を合わせてみよう

Comic Studioのような漫画専用のソフトであれば、基本枠が非常に分かりやすくなっていますので
基本枠に合わせて作成していけば表裏は自動的に合います。

Photoshopなどの画像系のソフトでは自分で意識しないと、どうしても表裏が合いにくいかもしれませんが
表裏がピッタリ合っているとクオリティが一段上がります!

表裏合わせ  本文用紙はどうしてもある程度は裏のページが
 透けてしまうので、表裏が合わないとこのように
 見えてしまいます。(極端な例)

画像系ソフトでの合わせ方は、二つのことを意識すればOKです。
小口側の仕上がりからの距離を合わせることと、基本枠のサイズを合わせることです。
(小口側が合っていれば、ノド側の枠線はズレていても目立ちません)

小口にガイドを引いて合わせよう
上下にもガイド線を引いてテンプレートとして保存しておくと良いでしょう。
四コマ漫画の場合は特にズレが目立ってしまうので、合わせておくと見た目が綺麗です!




5:切りたいセリフ・切りたくないセリフ

断ち切りって何?」のページと関係がありますが、セリフがギリギリに配置されていると
ものによっては切れてしまう場合があります。

文字がギリギリだと…01

文字がギリギリだと…02

切れてほしくないセリフは、なんとか仕上がり位置から3mm以上離すようにしましょう。
逆に文字をわざと切りたい場合は、ハッキリ切れるように断ち切り外まで
文字が続いているようにしておくと良いと思います。

わざと文字を切る




6:モノクロ原稿の解像度

表紙のページにてカラーの解像度は350dpiという説明をしましたが、モノクロではどうなるか見ていきましょう。
モノクロは600dpiでの入稿をお願いしています。
カラーは350dpiでいいのにモノクロは600dpi? なんか凄く違いますね。
その理由は至ってシンプルです。

解像度の説明01

上の図のように、そもそもモノクロは表現できる色の数にハンデがあります。
モノクロでちゃんとした表現をするには、ある程度のアミ点の細かさと形の正確さが必要になります。
それが600dpi以上という数字になっています。

また、カラーと決定的に違う部分として、アミ点(スクリーントーン)を使用する場合は
解像度は600の倍数でなければならないという縛りがあります。
それは、印刷機や印刷に使用する製版機の解像度が600の倍数で設定されているからです。
ですので、もし600dpiより高い解像度で作ろうという事になったら1200dpiで作成する必要があります。

当然のことながら最初別の解像度に設定してしまうと、後で600dpiにしても意味がありませんので
新規作成の設定で600dpiにしておく必要があります。

解像度の説明02

アミ点を使った場合は600dpiが必須ですが、グレーで塗ってある画像は350dpiで作成して600dpiに拡大しても
クオリティーには問題ないかと思います(例えば表紙の絵を扉ページに使う場合など)。




7:モノクロ原稿の濃度

画面上では凄く薄い色や濃い色も判別する事ができますが(モニターにもよります)、
実際に印刷をしてみると10%より薄い色はほとんど白になってしまったり、
90%より濃い色はほとんど黒になってしまったりと、再現できない場合があります。


5%以下の細かい模様などはモニターでも判別が難しくなり、
何か描かれていてもほとんど印刷されない状態となってしまいますのでご注意ください。

モノクロ原稿の濃度


例えば、下の画像はKが90%以上のモザイクですが、印刷ではほぼ黒のみとなってしまいます。
(モニターによっては見えないかもしれませんが、設定を明るくしてみるとモザイク状になっています)
モノクロ原稿の濃度




8:網点(スクリーントーン)を使いこなそう!

アミ点を使うと、グッと漫画らしくなりますよね。
ただ、モアレが出てしまい失敗したという方も多いのではないでしょうか。
ここだけ理解しておけば確実に綺麗な原稿ができる! という点をご紹介します。


■モアレの原因は何?
モアレとは、アミ点同士が干渉して模様のようになる現象の事です。
スクリーントーンを持っている方は、2枚重ねて角度を色々変えてみると分かりやすいと思います。

印刷する際にグレーの部分はアミ点化されるので、そのアミ点と元のアミ点が干渉してモアレは発生します。
(FMスクリーンなど、印刷方式によっては干渉しないものもあります)

モアレが発生する仕組み

他に、アミ点の形が崩れるとモアレになる場合もあります。
要するに、アミ点の並び方が規則正しくなくなると、モアレが発生してしまうという事です。

アンチエイリアスのかかったアミ点

グレーベタの上にアミ点が重なっている

色がグレーのアミ点

左の画像を印刷すると、右のようになります。上の3つの事例でモアレは発生しやすいです。

グレーベタの上にアミ点が重なっている」のと「アミ点の色がグレーになっている」場合は、
アミ点を粗くすればモアレを回避できます。
上記表現を使いたい場合は、20〜30線くらいまでのアミ点でなるべく薄い色でご使用ください。


アミ点にアンチエイリアスがかかっている場合、原因は二つ考えられます。

アミ点画像を拡大縮小するのはNG

アミ点を作ってからカラーモードがグレースケールの状態で変形させてしまうと、
網点がぼやけて(アンチエイリアスがかかって)しまいます。
また、モノクロ2値の状態で縮小すると、今度はアミ点の形がグチャグチャになってしまいます。
サイズはアミ点を作る前に確認しておきましょう。



コミックスタジオでのトーンの書き出し

PSDへ書き出すときの設定で、仕上げ情報の中に「トーン設定」があります。
ここの設定を「すべてモノクロの網点で出力」にしておかないと、アミ点にアンチエイリアスが
かかった状態で書き出されてしまいます。
この設定はVer4.5以降でないとできませんので、最新版にアップデートしてから設定してください。




9:モアレを軽減するには?

では、アミ点を使った様々な表現をモアレが出ないようにするには、どうすればいいの?
という疑問にお答えします。

■アミ点を配置した後だけど、どうしてもサイズを変えたい…
最後の最後でサイズをやっぱり変えたい! という状況になった時に、モアレを軽減する方法があります。
ソフトはPhotoshopをご利用ください。

モアレ軽減説明01

モアレ軽減説明02

モアレ軽減説明03

何か手を加える場合は、この後またグレースケールに戻して作業すればOKです。
ただし、同じ原稿の中にグレーで塗った部分があると砂嵐のような仕上がりになってしまうので、
手間はかかりますがアミ点の部分だけ複製して別ファイルで作業した方が良いです。


モアレ軽減説明03B

モアレ軽減説明03C



■アミ点の濃度を場所によって変えたい
一番良い方法は、グレーで濃淡をつけて、それをアミ点化する方法です。

モアレ軽減説明04

これならば、このあと手を加えなければモアレが発生することはありませんが、以下のように
トーン自体に濃淡をつけた場合は、「誤差拡散法(ディザ)」で2値化する必要があります。

モアレ軽減説明06

モアレ軽減説明05

「誤差拡散法(ディザ)」はランダムな細かい点でグレーを分解するので、
モアレに対して強いのが特徴です。




10:コミックスタジオから書き出す際の注意点

コミックスタジオでは、グレーのベタやモノクロ2値のアミ点を同一原稿上で混在させる事ができます。
色々な表現を可能にしていますが、印刷品質の低下につながる場合もありますので
レイヤーの設定や書き出しの際に注意が必要な点がいくつかあります。

コミックスタジオをお使いの方でPSD画像に書き出した際、画像が下のようになったことはありませんか?
コミスタ書き出し説明01

これはどういう状態かというと、グレーの部分が凄く細かい点々になっているのです。
印刷した時に濃い色だと潰れたように(ほぼ黒に)なってしまうこともあります。
どうしてこうなるかというと、一つはレイヤーの設定で「減色」していること、
もしくは書き出しの際に「モノクロ2値」で書き出している事が考えられます。

逆に、これを自由自在に使いこなすとグレーで塗った部分とアミ点が共存できる
原稿が作れますので覚えておくと便利です!


それでは早速、どういう風に設定を使い分けるか見ていきましょう。
レイヤーの設定でそれぞれ表現したいものに合わせて設定していきます。

コミスタ書き出し説明02


コミスタ書き出し説明03


以上二つの設定は同一レイヤー上では別々に設定できませんので、
最後まで統合しないようにしておきましょう。

次に、書き出しの設定方法です。
コミスタ書き出し説明04

トーン設定は上の項目「6:網点(スクリーントーン)を使いこなそう!」をご覧ください。




11:カラーの画像をグレーにする際の注意点

表紙や別の場所で使用したカラーイラストをモノクロ本文で使用したい場合、
ソフトでグレースケールに変換したり彩度を下げる必要がありますが、
その際に注意したい部分があります。

↓このRGB画像を実際にグレースケール変換してみましょう
RGBからグレースケールへ変換する際の注意1

↓グレースケールに変換した(彩度を落とした)状態
RGBからグレースケールへ変換する際の注意2

右側の部分が、ほぼ同じ色のようになってしまいました。
カラーの画像は明度の他に彩度や色相によって様々な色を作り出すことができますが、
グレースケールにおいて色の差は明度だけですので、このような状態になってしまいます。
左のイラストも、カラーの時に比べると状況が分かりづらくなっていますよね。

色を変換した際には、是非細かい部分もチェックする事をオススメします。